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ふるさと便り(寄稿欄)

高砂支部会員が居住している地域社会での会員に関わる出来事や、ふるさとの名所・旧跡、歴史等を会員の寄稿により紹介するコーナーです。
 応募先は、鐘華会の機関誌「鐘華ニュース」の最終ページに記載されています高砂支部の鐘華編集委員のメールアドレスか
若しくは、このHP管理者にワードで記載し、写真は拡張子.jpegて寄稿して下さい。


神戸だより第4報「神戸税関」

寄稿日:平成26年2月1日(土) 寄稿者:叶 敏次
(下記写真はクリックしますと拡大写真を見ることができます。
また、拡大写真をクリックしますと元の写真に戻ります)

 神戸には奈良や京都のように古い神社仏閣などの歴史的建造物はほとんどありません。平清盛が一時神戸の福原に都を遷しましたが、源氏に敗れ都はすぐに京に戻りました。都はなくなりましたが、清盛が残した大輪田泊はその後大陸との貿易の拠点となり、神戸発展の礎となりました。
 再び神戸が歴史の脚光を浴びるようになったのは、江戸末期から明治にかけてでした。勝海舟が、一時坂本竜馬が学んだ神戸海軍操練所を神戸村に作ったり、江戸幕府が列強の圧力により天皇勅許による兵庫開港を行うなど、江戸幕府から王政復古の明治に掛けての大きな歴史の転換期に再び神戸は歴史の表舞台に躍り出ました。 
 兵庫開港の勅許が出されましたが、実際開港されたのは兵庫港の隣の小さな寒村であった神戸村の港(のちの神戸港)でした。寒村であったため土地の確保が容易であったことと、神戸海軍操練所の施設が利用できたことが大きな理由とされています。開港された神戸港は海外貿易の拠点としておおいに栄え、貿易商などの外国人は居留地に住み、神戸の発展に大いに寄与しました。

海軍操練所跡(NTTドコモ神戸ビル横) 

大輪田の泊跡

 神戸開港と同時に、輸出入品の監督、関税の徴収などを扱う運上所が幕府によって設置されました。この運上所が神戸税関の前身です。現在残っている建物の外観は昭和初期に完成した二代目の庁舎です。花崗岩とタイル張りの重厚な造りで、「帝国の大玄関番たる関税として恥ずかしからぬ近代的大庁舎」と言われたほどの国内最大の税関庁舎で神戸のランドマークになっています。
二代目の外観を残す旧館と奥に見える新館

当時をしのばせる吹き抜けのドーム

 しかし、阪神・淡路大震災で被災し半壊してしまいました。現在の庁舎は三代目で、花崗岩張りの時計台を含めた外観と内部ホールはほぼ完全な姿で復原され旧別館の跡地には新館が建設されました。神戸税関は神戸港の発展に大いに貢献し、国際港の要としての存在感を示しています。
 税関ではコピー商品の摘発や密輸の摘発、ワシントン条約に違反した動物のはく製等の輸入の摘発など幅広い業務が行われています。館内は見学することが出来ます。

ワシントン条約違反で没収された動物のはく製が展示されています。

本物と偽物のルイビトンのバッグ(右が偽物) 金塊の密輸用ベスト
 神戸港は開港以来順調に発展し、1970年代にはコンテナ取扱量世界一の港になりました。しかしアジア諸国の追い上げ、大震災による港湾施設の壊滅的損壊などにより最近では世界の30位にも入らなくなりました。日本では東京が辛うじて25位、神戸は45位(2010年データ)に後退しています。清盛により見つけ出され大陸との貿易、国内物流の中心地として発展し、明治の神戸港開港により一大発展を遂げましたが、国際ハブ港としての地位は中国・韓国に奪われたままです。
 神戸税関の南側にあるポートアイランドには、スーパーコンピューター「京」の研究所や先端医療の研究基地などが出来、学術都市に生まれ変わりつつあります。神戸港後背地には旧居留地の歴史的建造物や六甲山麓の異人館などの観光施設など総合的な発展を目指し、神戸は学術・芸術・文化の街として、新しく発展し羽ばたこうとしています。先端医療技術やコンピューターシステムや高度に集積された部品や芸術・文化の輸出には大きなコンテナは不用ですから、コンテナ取扱い量が減少するのも一概に悪いことではないと思われます。
 神戸税関から西に5分ほど歩いたところに神戸港湾労働者福祉センターがあります。神戸港が開港して以来多数の港湾労働者(昔は沖仲仕と呼ばれてましたが、差別的であるとされ現在は港湾労働者と呼ばれています。)が働いて来ましたが、搾取の対象であった時期もありました。現在は港湾労働者を手厚く支援する福祉・厚生等の業務が幅広く行われています。
 このセンターの中に一般客も利用できる食堂があります。安さとボリュウムが半端無いです。
 500円でおかず2皿とごはん(おかわり自由)と味噌汁。おかずは約十種類から選べます。神戸税関見学の帰りには是非寄ってみてください。

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