高砂支部ホームページ

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ふるさと便り(寄稿欄)

高砂支部会員が居住している地域社会での会員に関わる出来事や、ふるさとの名所・旧跡、歴史等を会員の寄稿により紹介するコーナーです。
 
応募先は、鐘華会の機関誌「鐘華ニュース」の最終ページに記載されています高砂支部の鐘華編集委員のメールアドレスか若しくは、このHP管理者にワードで記載し、写真は拡張子.jpegて寄稿して下さい。

寄稿日:平成26年6月13日(金) 寄稿者:叶 敏次 神戸だより第9報:「能福寺」

(下記写真はクリックしますと拡大写真を見ることができます。
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 能福寺はJR兵庫駅や神戸市中央卸売市場に近い兵庫区北逆瀬川町にある古いお寺です。余り馴染みはないかも知れませんが、とっても神戸らしいお寺さんです。
 正式には宝積山能福寺と言い、御本尊は最澄作の薬師如来像だそうです。お寺の由来書によると、唐に留学していた最澄が帰路和田岬に上陸し、自作の薬師如来像を本尊とし、日本で初めての教化霊場、能福護国密寺として開いたのが始まりです(856年)。

本堂 月輪影殿

 現在の本堂・月輪影殿は京都にある皇族の墓陵「月輪御陵」にあったものを昭和28年宮内省により移設されたものです。
 神戸と言えば、ちょっと古いですが平清盛。清盛はこのお寺で剃髪し入道となりました。また境内には平清盛公墓処もあります。清盛が亡くなった時、この寺の住職が京都から遺骨の一部を持ち帰り境内に葬ったと言われています。兵庫を愛した清盛にはふさわしい場所かもしれません。


兵庫を愛した平清盛、福原の地に眠る
 また、能福寺は境内にある兵庫大仏でも有名です。兵庫大仏は戦前、日本三大大仏の一つとされていました。奈良の大仏、鎌倉の大仏と並んで、堂々の3尊目でした。兵庫大仏は奈良(752年)や鎌倉(1243年)の大仏に比べて物凄く新しい大仏(1891年)です。
 その誕生にも神戸ならではの物語があります。明治維新の神戸港開港、外国人居留地の建設などにより、神戸にもキリスト教信者が急速に増え、教会も出来初めました。これに危機感を覚えた仏教徒がキリスト教会に対抗して、仏教のシンボルとしての大仏を建立したと言われています。
 初代の大仏は、太平洋戦争の金属回収令で供出されましたが、建立100年に当たる平成3年に再建されました。二代目の身の丈は11メートルで蓮台と台座を含めると18メートルになります。能福寺そのものも小さいお寺で、周りも住宅地なので大仏は非常に大きく見えます。いいお顔です。
もう一つ興福寺にはさらに神戸らしい供養碑があります。維新の混乱期に発生した神戸事件(神戸だより トア・ロード)で、その責任を一人でかぶり非業の切腹死を遂げた滝善三郎の供養碑があります。もともと永福寺(兵庫区南仲町)にありましたが、太平洋戦争の神戸大空襲で焼失しました。戦災で焼け残ったものを百回忌の昭和44年に能福寺に移設し、お祭りしています。

能福寺は住宅地の中の小さなお寺さんですが、兵庫の古い歴史と神戸の新しい歴史が共存する本当に神戸らしいお寺です。
 能福寺にお参りした後は近くの神戸中央卸売市場の中にある「ふさ鮨」さんのランチがお勧めです。