神戸ハーバーランドは湊川貨物駅（東海道本線、神戸臨港線の終点貨物駅）や川崎製鉄、川崎重工業の工場跡地に再開発されたウォーターフロントとして、１９９２年（平成４年）９月にオープンしました。東側対岸のメリケンパーク側には神戸ポートタワーや神戸海洋博物館などの観光施設があり、ハーバーランド側には神戸モザイクなどの複合商業施設が並んでいます。
　オープン当初は神戸西武・神戸阪急等の百貨店、高島屋と大阪ガスが共同運営するファッションビル・オーガスタプラザ、阪急が中心となって開発したオープンエアーの複合商業施設・神戸モザイク、そしてダイエー、星電社など名だたる大型店が勢ぞろいした一大ウォーターフロントとして注目を集めました。オープン翌年には「都市景観１００選」にも選ばれ、前途洋々の船出となりました。

　私も加古川に住んでいる時から、都会的でハイセンスな雰囲気と港神戸のエキゾチックな空気が好きでよく通いました。また食事をしながらのクルージング（コンチェルト、ルミナス神戸）も珍しく、利用された方も多いと思います。しかし何時頃かは定かではありませんが行く度に店が入れ替わっているようになり、ここ１０年ぐらいは特に激しいように感じます。レストランはもとより小物を売る店まで店舗の入れ替わりの激しい商業地区でした。
　バブルがはじけた後のデフレと円高の失われた２０年の影響も大きいと思います。今後は東南アジアのお客様でいっぱいになることを祈っています。

モザイクには神戸らしい美味しいコーヒーが飲めるカフェがありましたが、早々に姿を消しましたし、こじゃれたフレンチレストランもいつの間にかなくなっていました。
　平成７年の阪神淡路大震災の被害は神戸最大の商業中心地である三宮より少なかったため、他地区よりいち早く復興し、集客力はアップしましたが、三宮・元町の復興により来訪者は徐々に減り始めました。
　開場２年後の平成６年には早くも神戸西武が撤退し、平成７年には星電社も撤退を決めました。平成１７年にダイエーが撤退したことにより、開業当初から当地区で営業している大型商業施設は神戸阪急と神戸モザイクのみになりました。その神戸阪急も平成２４年に閉店しました。
　これほど激しい変遷を遂げた理由はいろいろあるのでしょうが、大型施設が分散していて一体感がなく、商店街のような親しみやすさがなかったことが一番ではないかと思います。ハイカラで神戸らしいと言えばそうですが、ほとんどのお客様は神戸以外から来られるのでしょうから。
　現在は元神戸ハーバーランドセンタービル（ノースモール）、神戸阪急（サウスモール）、神戸モザイクの３棟で構成されたイオンモール株式会社が運営する「Ｕｍｉｅ（ウミエ）」に生れ変っています。
　我々にとって「ウミエ」の誕生は、駐車場が３時間無料（休日は２時間無料）になったことです。
　平日なら客も少なく、ゆっくりと食事や買い物を楽しむことが出来ます。最近は東南アジアからの旅行客も多く見かけるようになりました。

　モザイクの岸壁からはクルーズ船、コンチェルトが毎日運航しています。ランチクルーズ（１２時～１３時４５分）、ティークルーズ（１５：００～１６：３０）、ディナークルーズ（１７：１０～１８：５５／１９：２０～２１：０５）があります。
　また９月２３日までは各便に飲み放題の船上ビアホール＆ビアテラスが開催されています。ジョッキ片手に海風に吹かれるのもいいかもしれません。
　コンチェルトはモザイク側の岸壁より出港、ルミナス神戸は対岸のメリケンパークの岸壁より運航されています。

　東側対岸のメリケンパークでは毎年神戸港祭りがおこなわれます（今年は７月２０日、２１日）。また８月の第一土曜日（今年は８月２日）にはモザイク沖で第４４回みなとこうべ海上花火大会が行われます。

昨年のみなとこうべ海上花火大会