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寄稿日:平成26年8月6日(水) 寄稿者:叶 敏次 神戸だより第12報:
神戸歴史的建造物(其の一)

(下記写真はクリックしますと拡大写真を見ることができます。
また、拡大写真をクリックしますと元の写真に戻ります)

 神戸歴史的建造物(其の一) 
 神戸市は開港以来の神戸発展の歴史の証人であり、神戸らしさを象徴するような建築物を「景観形成重要建築物」として指定し、保全・活用を図っています。現時点で18棟の歴史的建造物が指定されています。明治時代に竣工した建造物が8件、大正時代が5件、昭和初期が5件です。
 明治時代は西洋の最新技術を貪欲に取り入れ、西洋列強に追いつくために国を挙げて、(司馬遼太郎氏の言葉を借りれば)坂の上の雲を追い続けた時代でした。私には明治時代の建築物は西欧技術を取り入れながらも列強何するものぞと言う心意気を感じてしまいます。贔屓目でしょうか?
 居留地の海側に海岸通と言う道路があります。明治時代にはこの道沿いに多くの銀行や貿易商社のビルディングが並びました。その中に景観形成重要建築物に指定された建物があります。

大正6年建築の海岸ビル(旧三井物産神戸支店)。正面の上に神社仏閣等で見られる唐破風に似た飾りを用い和風の色合いを出している。(施工 竹中工務店) 場所 中央区海岸通3

 明治・大正は、はるか遠くなってしまいましたが、昭和から平成に元号が代わって(1989年1月8日)早26年が過ぎました。皆さんにとって平成はどんな時代でしょうか?
 平成元年6月には天安門事件が起こり、11月にはベルリンの壁が崩壊、12月には米ソ首脳が冷戦の終結を発表しました。その後東欧諸国は民主化の道を歩み始めましたが、中国は経済発展を遂げたものの政治および民主化状況は天安門事件以前の状態に凍りついたままです。
 日本はと言うと、平成2年にはバブルが崩壊し失われた20年の始まりとなりました。平成4年に発足した細川連立政権に始まり、その後自民党政権に戻るも再び民主党政権となって、小泉時代を除く弱体政権が失われた20年に拍車を掛けました。民主党政権でとどめを刺されたのが、平成24年までの時代でした。
 この間、平成7年には阪神淡路大震災、平成9年アジア通貨危機、平成13年ITバブル崩壊、平成20年世界金融危機(リーマンショック)、平成23年東日本大震災・原発事故、など社会的にも経済的にも大変厳しい時代が続きました。
 平成元年から平成24年までの時代は、大正末期の関東大震災、昭和初期の昭和金融恐慌それに続く世界恐慌、そして昭和20年の敗戦までの激動の時代と重なるような気がします。平成25年から始まる平成の後半期は、敗戦から立ち上がった戦後(昭和の後半期)あるいは明治時代の日本と重なる黄金期になってほしいと言う希望的観測を持ち続けている今日この頃です。そんなこんなでちょっと前置きが長くなりましたが、今回は神戸の歴史的建造物を紹介し、古き良き時代を振り返ってみたいと思います。
 先日、国内18番目の世界遺産「富岡製糸場と絹産業遺産群」が誕生しました。明治期の経済成長は昭和の高度成長期に匹敵すると言われていますが、それを支えたのが絹産業で総輸出額の40%を占めた時もありました。生糸の品質向上を図るため明治29年に横浜と神戸に生糸検査場が作られましたが、関西では生糸の生産流通が育たず、神戸検査場はすぐに廃止されました。しかし関東大震災で横浜港が大打撃を受けたため大正13年に新たに神戸に生糸検査場が建設されました。その後昭和2年に今も残る神戸生糸検査場(新館、旧館)の建設が始まりました。

旧館(昭和2年 施工竹中工務店) 新館(昭和7年 施工錢高組)

所在地 中央区小野浜町1番4号(神戸税関の東隣、三宮からフラワーロードを南下徒歩約15分)
新館と
新館と旧館は繋がっています。

ビルの中は見学することが出来、当時の検査機器が展示されています。
一階の検査場跡、現在は催し物などを開催。 カフェに並ぶ検査機器(生糸の水分計)パイプを通して音楽が流れるそうです。
再操切断機(一定時間の間に生糸の切れた回数で成績が決まる。)
セリグラフ 生糸の強度と伸びを測定  水分計 生糸の水分を測定

 館内には関係する資料を集めた図書館や日本の生糸産業の変遷やそれにまつわる神戸の歴史がわかる年表などが展示されています。疲れたらカフェもありゆっくりすることが出来ます。世界遺産の富岡製糸場からは遠く離れていますが、神戸にも生糸産業に関係する遺産がありました。神戸港から輸出された生糸が外貨を稼ぎ日本の近代化を推し進めました。
 現在はデザイン・クリエイティブ神戸(KIIO)(生糸から来ていると思います。)としていろいろなプロジェクトや催し物が行われています。
 今後も神戸だよりで順次「景観形成重要建築物」を紹介していきたいと思います。