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ふるさと便り(寄稿欄)

高砂支部会員が居住している地域社会での会員に関わる出来事や、ふるさとの名所・旧跡、歴史等を会員の寄稿により紹介するコーナーです。
 
応募先は、鐘華会の機関誌「鐘華ニュース」の最終ページに記載されています高砂支部の鐘華編集委員のメールアドレスか若しくは、このHP管理者にワードで記載し、写真は拡張子.jpegて寄稿して下さい。

寄稿日:平成26年9月26日(金) 寄稿者:叶 敏次 神戸だより第13報:
 「神戸歴史的建造物(其の二)

奥平野浄水場急速濾過場上屋(現 神戸水の科学博物館)

六甲山の麓、神戸市街を見下ろす高台に建つルネッサンス様式の幅50mに及ぶ白亜の館は大正6年に完成した奥平野浄水場急速濾過場上屋です。外観はまるで貴族の館か美術館、あるいは教会のような荘厳さがあります。窓周りなど一部に御影石を用い、壁一面は白色の化粧煉瓦を用いています。煉瓦造りと言うと赤レンガが多く見られますが、上水道と言うクリーンなイメージを意識したものか、ここでは白い化粧煉瓦が使われています。1998年に神戸市景観形成重要建築物に登録され、同時に国の登録有形文化財にも登録されました。
 浄水場の急速濾過場の上屋とはとても思えないほど恐ろしく力の入った建築物です。設計は、神戸地方裁判所を完成させた後に神戸で事務所を開いて活躍した河合浩蔵によるものです。
 大正時代の神戸の情勢や世間の空気はなかなか分かりにくいのですが、こんなに力が入ってしまったのは日清・日露戦争に勝ち大国意識を持つに至った明治の雰囲気を多分に残していたのでしょうか。それとも立派な箱ものを作りたがる役人根性の為せる業でしょうか?

(下記写真はクリックしますと拡大写真を見ることができます。
また、拡大写真をクリックしますと元の写真に戻ります)

窓周りや柱部分に白い御影石を使い、側面は白い化粧煉瓦を用いているため煉瓦造りには見えない。
どう見ても貴族の館。立派過ぎる浄水場です。

内部は子供向けの科学実験教室やいろいろな水遊びで科学が学べるよう工夫されています、休日は家族連れが多く訪れます。

神戸の水道事業は明治33年に7600戸に供給したのが始まりだそうです。最初は100%「六甲のおいしい水」でしたが、今は7割強が淀川の水です。
神戸市内の水(ブルーの地域)はほとんどが淀川の
水で、六甲のおいしい水は一部の地区のみ
設計者 河合浩蔵氏
秋空に映える白い煉瓦 庭にあるドン・キホーテとサンチ
ョの像

 10月3日(金)~13日(月)は神戸観光ウィークの為、入館無料です。
 JR三ノ宮、阪急・阪神三宮から市バス(7)系統、「楠谷町」下車 北へすぐ。駐車場はありません、車の場合は近所にある民間のパーキング利用。

 関西学院チャペル (現 神戸文学館)
 明治22年、アメリカの宣教師 ウォルター・ラッセル・ランバス氏が神戸郊外の原田村(現在は原田の森や王子動物園がある場所)に関西学院を創立しました。その後、明治37年に礼拝堂として建てられたのが現神戸文学館です。関西学院は昭和4年に西宮市上ヶ原に移転しましたが、チャペルはそのまま残りました。平成11年に景観形成重要建築物に指定されました。

当時のチャペル(左)と学舎 保存されているチャペル(現 神戸文学館)
チャペルの入り口  ゴシック風の外観
教会内部、現在は展示室になっている。 れんがを長手だけの段、小口だけの段と一段おきに
積むイギリス積み

 現神戸文学館の南側には「原田の森ギャラリー(兵庫県立美術館王子分館)」と「横尾忠則現代美術館」があり、東側には王子動物園が広がる。市民の憩いの場となっていて、休日には多くの市民が訪れています。
 原田の森ギャラリーの一階にはガラス張りの「ぱんだかふぇ」があり、休憩にはもってこいです。

 美術館の裏に駐車場あり。(美術館利用と言えば駐車料金が安くなります。)
阪急王子公園駅、JR灘駅、阪神岩屋駅 各駅より徒歩10分前後。



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