ラビリンスとは迷路や迷宮を意味する英語です。迷宮と聞いて何を想像されるでしょうか？一般的には複雑に入り組んでいて、なかなか解けない難問や事件などを例える言葉として迷宮あるいは迷宮入りと言う語が使われます。昔、生垣で作った迷路（ラビリンス）に子供と一緒に遊びに行ったこともありました。懐かしい思い出ですが、ラビリンスには苦い思い出もあります。
　　昔電解課で働いていた時、良く泣かされたのが「ラビリンス」でした。昭和５０年ごろに稼働した電解課の巨大な塩素コンプレッサーのメカニカルシールの名前が「ラビリンス」でした。「ラビリンス」とは非接触型のシール方法の一つで、シール流体が高圧側から非常に狭い隙間を通ることにより圧力を減じる方式です。この隙間を何段も通ることにより圧力を漸次減少させ高圧のガスをシールすることが出来ます。
　　このように狭い隙間が幾段にもあり、まるで迷路の様なところから「ラビリンス」と呼ばれています。塩素コンプレッサーの回転軸の回転数は２～３千回転／分（記憶によると）の高速でしたが、スタートアップ時の不安定な回転数の領域で良くトラブリました。大きく減産して営業から怒られたものです。
　　最近三宮の街を歩いていて、この「ラビリンス」と言う言葉がよく頭をよぎります。三宮の中心と言えばやはり三宮センター街でしょうか。ファッションブランドやアクセサリー、雑貨ショップが多く並ぶ神戸一のショッピングストリートです。最近は外人さんで溢れていますが、フラワーロードから鯉川筋までほぼ東西に延びる、まっすぐな道ですから、ここで迷うことはありません。

　迷宮は、若者や海外旅行者で溢れる華やかで神戸らしいファッションストリートの地下にあります。モダンでハイカラな地上とは打って変わって、レトロでディープなＢ級、Ｃ級グルメがいっぱいの地下迷宮、地下迷路です。このディープな迷路はおっさん、おばちゃんが主役で、セレブや外国人観光客もほとんど見られません。

センター街をＪＲ三ノ宮側から入るとすぐ右手に「サンプラザ」「センタープラザ」「センタープラザウエスト」のビルが約１００ｍにわたって建っています。
　　これらのビルの地下街は約１００ｍの間におよそ１８０軒の飲食店が所狭しと並んでいます。５，６名で満席になるようなカウンター席だけの店から、せいぜい２０名程度までの小さな店がほとんどです。センター街は一本道ですが、地下迷路は２本、ところによっては３本に分かれています。

迷宮にはカレー専門店、ラーメン専門店、粉もん専門店、どんぶり専門店、トンカツ屋、少ないですが洋食屋等専門店が多いのが特徴です。
　カレー専門店が１３軒、ラーメン屋が８軒、どんぶり屋が５軒などで、価格は５００円から８００円程度がメインです。
　幾つか有名なＢ・Ｃ級グルメを紹介します。

とんかつ　ながた園

上手いカレー屋を紹介したかったんですが、店の数も多く全店制覇できていません。また前回食べた美味しいカレー専門店にもう一度行こうと思っても迷宮の中をウロウロ迷ってしまい、たどり着けないこともしばしば。手ごわい地下迷宮です、皆さんも一度迷ってみてはいかがですか。
　　「ひとつ曲がり角　ひとつまちがえて　迷い道くねくね」