高砂支部ホームページ

 リンク先:(下記テーブルに示す箇所をクリックするとクリックしたエリアにリンクすることができます)

  高砂トップページ へ  高砂支部だより(支部役員名簿や行事予定、その他連絡事項)
 2.高砂支部同好会活動の内容(活動予定及び直近の活動報告を記載)
世話人名簿 囲碁・将棋 ウオーキング グラウンド・ゴルフ
ゴルフ ハイキング カラオケ 文化展
 ネットワーク便り (各部門内での行事予定【職場OB会】等々の連絡及び実施事項等)
 4.高砂文庫(寄稿コーナー:近況報告、紀行文、エッセ-、詩、短歌、俳句、ノンフイクション等々
 5.故郷たより(ふるさと便り:会員が居住する地域社会での出来事や歴史等の紹介)

高砂文庫(寄稿欄)

寄稿日:平成25年12月3日(火) 寄稿者:宮本和夫

湖東三山と湖北二山の紅葉巡り

 それほど深い考えがあったわけではないが、なんとなくこれだけは決してやるまいと心に決めていたことがあった。それは、「食料品売り場で、メモを見ながら、買い物カートを引いて一人で買い物はしまい」、「チャックのついた靴は絶対にはくまい」、「キザミネギは買わず、家できざむ」「天然水やお茶のペットボトルなど水類は絶対に買うまい」等々、これらは、強いて言えば、ひしひしと迫ってくる老いに対するささやかな抵抗であったのかも知れない。しかし70歳を超えてから徐々に・・・いまや敢え無く全て反故となり、その利便性を享受している。
 今回の日帰りバスツアーで、またまた老いを痛切に感じさせられた。歩いたのは大した距離ではなかった。そんな厳しい坂道もなかったのにクタクタに疲れて、翌日は若干脚が痛くなった。かっては、これくらいでは、ここまで疲れることはなかった。 

 参加した日帰りのバスツアーは、湖東三山と湖北
二山の紅葉を巡るツアーで、古刹及び紅葉としては名にし負う名所であり、一度は訪れてみたいと思っていたころであった。キャッチフレーズには、先ず、最初の訪れる百済寺は「天下遠望の名園の紅葉と眺望」⇒次いで金剛輪寺の「血染めの紅葉」⇒「紅葉と四季桜のコントラスト」の西明寺⇒鶏足寺は「境内を埋める約200本のモミジと古木」とあり、1119日(火)に、この旅行会社のキャッチフレーズに魅せられ、明石より出発するツアーに夫婦で参加した。
(下記写真はクリックしますと拡大写真を見ることができます。
また、拡大写真をクリックしますと元の写真に戻ります)

 先ず、最初に訪れたのは百済寺(ひゃくさいじ)である。1400年前(西暦606年)聖徳太子により渡来人のために創建した近江最古の寺で、天台宗の別院でご本尊は奈良時代の11面観音菩薩で、信長の焼き打ちなど幾度の災難を潜り抜けて現在に至っている。庭園は「天下遠望の名園」として有名だが、人垣ばかりで遠望等とても望めず、その一瞬のシャッターチャンスすらなかった。
 かっての百済寺は巨大な本堂や壮麗な五重塔があって、その広大な境内には、300の僧坊が建ち並び僧俗あわせて1200人が住んでいたそうだ。近江源氏である佐々木六角を支援し寺内に婦女子をかくまったことから、鯰江城と共に織田信長により悲惨な焼き打ちにあっている。近江湖東27銘刹霊場第11番札所となっており、五木寛之著の「百寺巡礼」の第4巻に第35番目に訪れたお寺として詳しく記載されている。
百済寺の山門 百済寺の本堂 百済寺の本堂正面
百済寺の紅葉 百済寺の紅葉 百済寺の庭園

 金剛輪寺は741年に聖武天皇と行基菩薩より開山された天台の古刹。鎌倉時代に発展した密教寺院で、本堂は大悲閣とよばれ国宝に指定されている。堂内には秘仏本尊聖観音、阿弥陀如来像、不動明王、毘沙門天立像、十一面観音、四天王像等が安置されている。堂の裏がわにまわると日本最古の大黒天が特別公開(11月中)となっていた。また二天門は向かって右に増長天、左に持國天をまつっており、三重塔と共に、国の重要文化財となっている。本堂周囲や三重塔の周囲の紅葉は見事であった。

金剛輪寺の参道の紅葉 金剛輪寺の二天門(重文) 金剛輪寺の三重塔
金剛輪寺の本堂 金剛輪寺の本堂周囲の紅葉 金剛輪寺の明壽院の庭園
 西明寺834年の三修上人が開創。1571年に信長の比叡山延暦寺の焼き打ちの時に湖東の百済寺と共に、この西明寺も焼き打ちにあっているが、鎌倉時代に建てられた本堂と三重塔、室町時代の二天門は、僧侶の機知や農民達が協力して難を免れた。ご本尊は薬師如来で、釈迦如来、不動明王・二童子、二天王等々多くが国の重要文化財に指定されている。また、本堂、及び三重塔は共に国宝第1号指定となっている。本堂の裏に回ると親鸞像が安置されていた。これは、法然が四国、その弟子親鸞が越後に流される時に、親鸞がこの寺に立ち寄ったとのことで安置されたとのことと、五木寛之著の「百寺巡礼」の第4巻に第34番目に訪れたお寺として、これらのことが詳しく記載されている。
西明寺の参道の紅葉 西明寺の三重塔 西明寺の本堂

 鶏足寺は旧飯福寺のことで、735年に僧行基が開基した古寺で中世には僧兵を擁する程の大寺であったが、次第に衰退して最後まで残っていた本堂も昭和8年の冬に不審火で焼失し今や廃寺となっているが、地元の人々で鶏足寺宝物館として己高閣・世代閣を建て、そこに本尊の十一面観世音(重文)等々の数々の仏像や宝物類を収蔵した。鶏足寺に向かう道には、地元で収穫した農産物や薬草などが販売しているテントが数か所に点在しており、そこに、おいしそうな柿が5ケ100円で販売されていたのを見届け、帰路、寄ってみたが一袋しか残っていなかった。多少重くても、往路で買っておくべきと悔やんだが後の祭り。まあ一袋でもありつけたのは、仏様の計らいであったのかも。
 ゆるやかな参道に真っ赤な紅葉の絨毯を敷きつめた様は圧巻で何度も訪れる人が多い。今回は落葉には少し早かった。私達が訪れた
8日後の1127()に毎日放送の「ちちんぷいぷい」というテレビ番組で鶏足寺の紅葉の風景を実況放映されていたが参道には見事な紅葉の絨毯が敷きつめられているのが映し出されていた。

鶏足寺の収蔵館 鶏足寺への道 鶏足寺に向かう道(農産物の特売所)
鶏足寺の参道 鶏足寺の参道の紅葉 鶏足寺の本堂
 石道寺(しゃくどうじ)は、鶏足寺のすぐ近くにあり、726年に延法上人が草創した。その後、804年に伝教大師が11面観音をまつり再興された。後年、天台宗から真言宗に移行。木造11面観音菩薩立像、木造持國天立像、木造多聞天立像は國の重要文化財となっている。
石道寺の本堂周囲の紅葉 石道寺の本堂周囲の紅葉

 五木寛之著「百寺巡礼」に記載されている寺は各県2ケ寺程度だが、さすが、天台宗の総本山である比叡山を抱えている土地柄である滋賀県は6ケ寺も選択されている。この度、出向いた湖東だけでも湖東27ケ寺詣でというコースもある。ちなみに、滋賀県では三井寺、石山寺、延暦寺、西明寺、百済寺、石塔寺で、大阪では、四天王寺と大念佛寺で、我が兵庫県では、加古川にある鶴林寺と姫路の亀山本徳寺を選んでいる。何故書写山園教寺が選ばれかったのかは定かではないが・・・
 冒頭にも述べたが、この度のツアーで、はかなくも体力の衰えを露呈した。今後、トレッキングや神社仏閣を詣でる旅をどうしたものか?と思案している。神社でのお百度参りや、寺社仏閣への巡礼は歩くことで健康維持にもつながり、それなりに意味があると考えている。今後も、ささやかな小さな旅を楽しみたいと翌日より毎日の散歩時間を10分ほど延長してみたが・・・。
 大阪支部のHPに、向井俊二さんが、西国三十三観音霊場を計3回詣でたと記事と写真を投稿されているのを見て感服しましたが同支部の池尻正春さんは、なんと5回も結願されているとのこと。これには誠に恐れ入りました。高砂支部の吉田登さんは喜寿で富士登山に挑戦される等、鐘華会の会員には、多彩な才能を持った方々が大勢おられ、いろんな行事に参加するたびに今も教えられ啓蒙されている。
 カネカはガクでガイをナエル会社をキャッチフレーズにしているが、最近、読んだ本で「その科学があなたを変える」(リチャード・ワイズマン博士著・木村博江訳)という本の中に「As Ifの法則」(〜かのように)を実践すれば、自分が変えられる、自分の願いが叶えられるということを科学実験でそれを証明したことを記述している。「幸せになるには、幸せであるかのように行動すればいい」、まるで若者のようにふるまう・・・まるで健脚者のように・・・行動すれば、そのようになっていくとのことです。一度確かめてみようと思っている。


このページのトップへ

高砂支部トップへ