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寄稿日:平成27年4月9日(木) 寄稿者:叶 敏次

 旅日記 観桜の旅 失敗の記

旅日記  観桜の旅 失敗の記             平成2742〜4
 日本に四季のある幸せ、春に桜の咲く幸せ、そして毎年毎年必ずやって来る幸せ。
  桜前線と言う言葉の響きもいい。桜前線は日本列島を南から北へと駆け抜け、里から山へと駆け上がる。桜前線と言う言葉に何故かワクワクし、里は春、遠くの山並みは雪景色、そんな景色を求めて旅に出たくなる。桜を求めて、車を飛ばそう。

(下記写真はクリックしますと拡大写真を見ることができます。
また、拡大写真をクリックしますと元の写真に戻ります)

岐阜県下呂市   苗代桜  蕾甚だ固し

 下の写真のような見事な映り込み写真を撮るつもりで行ってみたが、4月3日時点ではまだまだ蕾固しの状態。夜間照明もなし。人の気配も無し。 おまけに今にも降り出しそうな空。
  開花予想は大きく外れた。これほど見事に外したのは数年前東北旅行をしたとき以来である。あの時は桜前線を車で追越したっけ。

 遠く離れた地方の名だたる桜を見ようと旅にでると、私の場合満開を外すことがやたらに多い。
  純粋に桜を愛でるのであれば、旅館など二の次でよい。ましてやおっとりカメラで駆けつけるのであればなおの事。桜のそばで車中泊を覚悟すべきであろう。その方がむしろ朝夕の光の中の桜を見事に撮ることが出来よう。
  桜のついでに温泉を楽しもうと言うのであればまだしも、温泉三昧のついでに桜を見たい、見事な写真を撮りたいと言う考えが大きな間違い。
  桜の開花に関する調査よりも、良心的な料金で良い温泉や美味しい料理の旅館に泊まりたいと言う俗念を満足させる調査を優先してしまう。自分のいい加減な開花予想に合わせて1ヵ月以上も前から、まず旅館を押さえる暴挙に出る。自分の開花予想にしても、これまたいい加減なもので桜前線情報や近郊の桜情報で間に合わせてしまう。まあこれぐらいの予報でも、一般的な桜の名所、神社、お寺、お城、公園などの桜であれば当たることもあるが、数百年の樹齢をもつ独立した桜木の開花を予想するのは難しい。
  そのような孤高の桜木はソメイヨシノであることは珍しく、したがってソメイヨシノの桜前線とは大きくずれる。またそのような名木はどちらかと言えば平地ではなく少し標高の高いところにある桜木が多いため、余計に予想は難しい。
  以上のような訳で、なかなかいい写真に恵まれないでいる。決して腕のせいではなく、予報が外れたに過ぎないのだが。

岐阜県本巣市  満開ではなく、三分咲きの淡墨桜。樹齢千五百余年を誇る孤高の桜(エドヒガン桜) 

ボランティアの案内人に聞くと開花は年によって一か月程度前後するそうな。満開の淡墨桜の良い写真を撮ろうと思うと、満開の声を聞いてからおっとりカメラで駆けつけねばならない。
 それにしても、千数百年生きてきた淡墨桜はさすがに観ていて痛ましい。何度かの大手術を受け、枯死の危機を乗り越え、何十本の支柱に支えられながら毎年満開の花を咲かせる。その生命力は見る者を圧倒し、神々しさを感じさせずにはおかない。

国宝 犬山城 天守閣(国宝四城の一つ) 曇り空ながら、桜は満開。

犬山城は、まさに匂うがごとく咲き乱れる桜に囲まれ、大勢の観光客で賑わっていた。中でも外国人の多いこと多いこと。天守に登るため多くの人が列を作って待っていたが、天守は安全上200人の制限制である。これをたった一人でコントロールしていた。仕組みはいたって簡単、脱いだ靴を入れる袋を200袋しか用意していない。袋がなくなればちょうど200人。あとは下りてきた人の袋を次の人に渡すだけ。アナログだが見事なシステム。

桜の季節と言うと、寒い中での夜桜見物やせっかくの桜が雨に叩かれることが多いように思う。現役時代の夜桜見物は寒さに震えたと言う記憶しかない。雨男ではないと思うのだが、旅に出ると雨に会うことが多い。特に桜の季節には決まって雨に降られる。春に三日の晴れなしと言ってしまえばそれまでだが、自称カメラマンとしては残念なことである。したがって近郊の桜の写真は別にして、旅先の桜の写真は残念ながら雨模様が多い。

桜のしずく ソメイヨシノ

 岐阜県下呂市から美濃加茂にかけては本当に桜の多い土地である。関西ではちょっと見かけたことがない程桜の木が多くて驚かされる。
 西国第三十三番 華厳寺は西国巡礼の終着駅、満願所。正式には「谷汲山華厳寺」と言い、後醍醐天皇の命名と言われる。桜の名所である、参道の桜は見事と言うほかない。

参道のソメイヨシノのトンネル

谷汲山 華厳寺 本堂

仁王門 三間一戸の見事な二重門。組み物は三手先、軒は二軒(ふたのき)
仁王門から参道の桜並木を望む
残雪の山並みと里の桜 早咲きのヤマツツジ

  桜前線が北上し、桜の花を求めて人が集い、花の蜜を求めて虫が集まる。
  車を飛ばそう、来年も、再来年も。桜が咲く限り。


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