梅雨の季節だが、青空が広がり、さわやかな風が湿気を振り払うかのように靡き、それ程、蒸し暑さを感じない絶好のウォーキング日和。
本日のコースは、世界に誇る劇作家「近松門左衛門」ゆかりの地であり、中国街道にまつわる史跡のある尼崎市内散策コースだ。
阪神大物駅に10時にウォーキングメンバー23名が集合し出発~。
ご存知のように、尼崎市は臨海部では鉄鋼、化学等の基礎素材型産業、内陸部では一般機械、精密機械等の加工組立型産業が立地進展し、多種多様な業種の集積した工業都市として発展してきた。しかし、長引く景気の低迷や経済のグローバル化などから産業の空洞化が進行し、JR尼崎駅周辺を中心とした新しい商業都市化が推進され、「COCOE(ココエ)あまがさき緑遊新都心」として生まれ変わってきている。
そうした大きく変遷するJR尼崎駅周辺の緑遊新都心を見ながら南から北へ約1時間歩くと、近松門左衛門ゆかりの近松公園の小さな森が見えてくる。
先ず、公園に隣接する広済寺に入る。この寺の再興に大きく貢献し、この地で世界に誇る「曽根崎心中」「心中天網島」など、文楽・歌舞伎の名作数々の劇作を創作し、終焉地としてのお墓もある近松門左衛門ゆかりの寺である。丁度、寺内では法要が営まれており、迷惑がかからないように静かに寺内を巡った。寺を出ると直ぐに近松公園の入口になり、近松門左衛門の立派な坐像がある。柔らかな表情で、あたかも我々を迎えてくれているかのようである。公園入口を入ると直ぐに近松記念館がある。15名以上は団体扱いで入館料が半額の100円と安い。展示室は広くはないが、近松門左衛門の偉業をたたえる数々の遺品が置かれている。
記念館を出ると緑に囲まれた公園が広がり、池あり、芝生ありの大きな公園で、辺りには今が見頃のあじさいの花が見事に咲き誇っている。そんな風景を楽しみながら、なごやかな昼食となる。
公園を出ると今度は東南の方向に南下し、小一時間歩くと須佐男神社にやって来る。
この神社を出た角の所に旧有馬街道と旧中国街道の分岐点があり、お地蔵さんの道標が建てられている。中国街道は大阪高麗橋を起点にして西宮で西国街道に合流する街道とのことである。
寺から300mほど離れたところに神崎川があり、中国街道の渡し場跡がある。渡し場跡には、「金比羅さんの石灯篭」が残されており、航海の安全を祈念し、灯台の役割も果たしていたとも・・。
渡し場から神崎川の川原の散策となる。川原を通り抜ける風が涼しく有難い。足への疲労感が丁度出始める頃でもあり、何とも言えない心地よさを感じる。JR線の鉄橋が目の前に来ると川原ともお別れし、JR尼崎駅方面と阪神杭瀬駅方面の分岐点となる大きな県道に出る。
ここで、各自の帰路が分かれるので、1日楽しく過ごせた尼崎市中散策の無事終了を喜び解散となった。
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