立春を過ぎ三寒四温で本格的な春を迎えていく季節、昨日までのポカポカ陽気が一転し、今日は真冬を呼び起こす厳しい寒さ。薄日は射すが、冷たい風が少し肌にしみる中、10時に山陽電車「尾上の松」駅に19人が元気に、サァー出発! 3分程歩くと線路沿いに厄除けの今福神社があり、線路を渡り西に向かうと加古川の堤防が見えて来る。法音寺を経て、堤防近くに崎宮神社があり、そこを通ると、一級河川加古川に並行して流れる分流の泊川沿いに作られた「しおかぜの小道」という散歩道に出る。
加古川の堤防に並行しており、信号もなく、一定間隔にトイレ、途中の休憩ベンチが整備された海に向かう快適な散歩道だ。川向こうにカネカ高砂工業所、向島公園が見え、加古川河口に近づくにつれて、潮の香りが強くなってくる。見通しもよく、海の向こうには淡路島、家島諸島、小豆島がはっきり見渡せるビューポイントだ。河口付近を東に折れると、尾上港で、対岸は神戸製鋼の大きな敷地となっている。尾上港には、加古川産の海苔の工場があり、結構美味しいらしい。尾上港から、歩を東に進め、神戸製鋼加古川製鉄所北側を通り抜けると地元の大きなショッピングプラザが見え、尾上公園にやってくる。
この辺は、加古川飛行場跡で、戦時中の特攻隊の中継基地になった所。公園内には、尾上公民館や体育館、グランドゴルフの諸施設あり、休日の日は楽しそうな声が聞こえる所で、特に桜の季節には家族連れで賑わうとのこと。公園を過ぎて少し北に向かうと、白旗観音寺という曹洞宗のお寺がある。航海安全祈願の寺として平安時代に遡る歴史ある寺で「白布をもって航海安全の旗印にせよ」とのお告げから建立された寺だそうだ。
南に進み、再び、神戸製鋼加古川製鉄所北側に出ると、人工的に作られた水路(神鋼運河)に沿って東進。延々と3~4km続く産業用道路横の歩道で、水路を隔てた製鉄所境界には高さ10m位の溶鉱炉用石炭の粉塵防御フェンスが張られており、その下を歩く単調な道。正午を過ぎ、空腹感も感じながらスピードアップ。ようやく12時半過ぎに神戸製鋼加古川製鉄所の東端に出て、海が見えてくる。程なく行くと、別府川の河口付近の加古川海洋センターに到着し、ここで昼食。センターの閉館の日で周辺は閑散としていた。日は陰り、冷たい風も強くなり、各自、風の当たらない建物の隅を探し食事処を確保。
食事後は、時折、霰も降る中の潮風の街別府の散策となる。先ずは、多木化学創始者の多木久米次郎さんが賓客を迎える為に建てた4階建ての豪華な多木浜洋館が目に入る。木造ではあるが、屋根や壁が銅板(あかがね)ですっぽり包まれており「あかがね御殿」と呼ばれる。建物の西隣には日本一の肥料会社の創始者の権勢を示す「肥料王」ならぬ「肥料主」の大きな石碑が建っている。少し行くと古くから漁業、海上交通の守り神として親しまれてきた住吉神社があり、境内には松が横に傾き腕枕のように見える「手枕の松」がある。この名松をバックに本日の全員集合写真をハイパチリ。更に別府川沿いに行くと、奈良時代天平年間開基の宝蔵寺があり、ここには日本最古のオリーブの木がある。やがて、別府散策を堪能し、本日の終着地山陽電車別府駅に到着~。寒い一日ではあったが、歩いているとそんなに寒さを感じないのも不思議、爽やかな疲れを心地よく感じ、各自、家路に向かった。
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