秋も一気に深まる中、天気予報の昼前から青空が出て気温20℃になる好天を期待したもののドンヨリとした空模様の下、JR伊丹駅に18名が集合して9時40分に第71回例会がスタートした。
まずは、JR伊丹駅のすぐ近く、NHKドラマで黒田官兵衛が幽閉されたことで有名な有岡城跡を訪ね、有岡城の遺構の説明看板と官兵衛が牢から見える「力強く咲く藤の花」に勇気づけられたと云う逸話に基づき、官兵衛ゆかりの姫路城の藤から育てた子孫樹を植樹した藤の棚を見て、神津(かみつ)大橋へと向かう。
猪名川に架かる神津大橋を渡りまっすぐ街中を歩くこと20分、伊丹スカイパークに到着。伊丹スカイパークは、国、兵庫県、伊丹市により整備され2006年に一部オープン、2008年の全面オープンで約9ヘクタールとなった巨大公園で滑走路の間近にあり、飛行機の離着陸をダイナミックに見ることができる。この公園は芝生エリアや展望台、航空関係の展示、遊具や川など九つのエリアに分かれていて、日中は家族連れ、若者や航空ファンが訪れ、夜になるとカップルが夜景を見ながら飛行機を見るという人気のスポットである。猪名川流域から空港の辺りは神津地区と呼ばれ岩屋遺跡をはじめ弥生時代の遺跡があちこちにあり、展望通路には出土した銅鐸が展示されていた。
九つのエリアのひとつ「冒険の丘」にはキューブアドベンチャーと呼ばれる巨大立体迷路があり、遠足で来た黄色い帽子の幼稚園児たちが遊んでいた。残念ながらジャンボには遭遇できなかったが、ひっきりなしに離着陸する飛行機の雄姿を堪能した後、次の目的地である昆陽池(こやいけ)へ向け、西に県道334号線を歩き始める。
スカイパークへは猪名川の神津大橋を東向きに渡ったが、今度はその上流650m位の桑津大橋を西向きに渡る。橋を渡りJR線を越えると伊丹の中心街を歩くようになる、時刻は11時15分頃で道路脇のポール上部の温度計の表示は15℃であった。ちょっと寒いなと感じているところに、伊丹は清酒発祥の地と書かれお馴染みの白雪、老松、大手柄の樽が展示されているのを見て、急に熱燗が恋しくなった。そこから少し歩いて、伊丹ホール前の天皇・皇后行幸(平成17年1月18日)の碑を過ぎ、そのまま県道334号線を西進し千僧6丁目交差点で右折、真っすぐしばらく行くと伊丹警察署前、さらに伊丹市役所前を過ぎて、ようやく昆陽池公園入口のスワンホールに着いた。昆陽池公園は731年、行基の指導により農業用ため池として作られたもので、2010年に農林水産省のため池100選に選ばれており、こぶ白鳥が自然放養されているほか、冬には3千羽を超す鴨や鴎などが飛来する。又、池の中ほどには日本列島を模した人口島があり、伊丹空港を離陸した直後に飛行機の窓からその形を望むことが出来る。お楽しみの昼食を野鳥観察橋の前の広場で食べていると、目の前に鳩の群れが餌を求めてやって来たが、その中の一羽の首に小さな吹き矢が刺さっているのを発見したのはショックであった。ニュースで話題になった矢の刺さった鴨の姿は見えなかったが、鳩にも酷いことをする奴がいるのを改めて知った。
池をバックに記念写真を撮った後、遊歩道を廻り昆虫館へと向かう。昆虫館へは約6名の希望者のみが入館。ここのチョウ温室には14種類1000匹のチョウが放され飛翔しており、筆者も華麗なチョウの舞いに癒された。昆虫館の出口前には1999年に当時10歳の田中将大(マー君)が樹名板を取り付けたヤマボウシの木が、「マー君の木」としてネットで保護・育樹されていた。
13時過ぎに昆虫館を出発し、瑞ケ池(ずがいけ)公園から緑ケ丘公園の散策路を巡り、伊丹市の公館である鴻臚館(こうろかん)を訪ねた。さすがに日本建築の伝統・技術の保存継承を目的に建築された建物の美しさに感動、庭園前で2回目の記念撮影の後、すぐに出発した。国道171号線に出てからJR北伊丹駅に向けて東進し、途中の鋳物師(いもじ)3丁目交差点で阪急伊丹駅から帰る8名と別れた後すぐにJR北伊丹駅に到着し、14時11分の列車で帰路に就いた。
結局、天気はドンヨリとしたまま、午後の気温も15℃と肌寒い感じであったが、雨にも降られず、汗もかかずに気持ちよく歩けた一日であった。
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