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ウオーキング同好会

活動報告

(会長:笹間美之 世話人:神野久典)

平成28年10月29日(土) 第81回例会 :「林田まちなかあるき」 執筆者:横山 浩

  平成28年10月29日(土) 第81回例会「ウォーキングコース」
         林田バス停(スタート)~旧三木家~敬業館~建部(タケベ)神社~林田陣屋跡~塩阜(シオオカ)神水~祝田(ハフリダ)神社
         ~八幡神社(昼食)~教覚寺~薬師寺~(林田バス停)~追分バス停~姫路駅北口(ゴール)

 朝晩の冷え込みが感じられるようになった10月末の29日(土)、ウォーキング同好会第81回例会で林田を歩いた。 林田は姫路市の北西に位置して鳥取に向かう因幡街道沿いにあり、現在は国道29号が通っている。 林田藩1万石の領地だが、城は無く陣屋跡と藩校敬業館などが残っている。今回の参加者は14名。

 姫路駅から山崎行の神姫バスに乗って30数分、林田バス停で降りて歩き始める。西に10分位に旧大庄屋三木家住宅がある。 羽柴秀吉に追われた英賀城主の三木氏が、この地に来て大庄屋をつとめたと伝わる。入口に男女のシニアボランティアの方が何名も居られ、 見学料(300円)を徴収したりガイドをして下さった。大庄屋だけあって周囲が長屋や土塀で囲まれ敷地面積が4,200m2と広い。 長屋門は広い男部屋が付いており、そこを入った前庭が広くて砦のような感じもする。主屋も約112坪と大きく、米蔵、内蔵、新蔵と蔵が三つもある。 武骨なだけでなく藩主を迎える御成門や、60種類もの植物が植わった広い庭園や池もある。主屋には蒸し風呂含めて湯殿が二つあり、 奥座敷の壁はベンガラ入り壁土なので、ピンク色をしていて妙になまめかしい。 その他にも見所聴き所満載で、30分の見学予定時間が小一時間もかかってしまった。 もぎたてのつやつや輝く柿をいただいたので、「お腹が空いた。」と早速かぶりつく人もいた。

 北に少し行くと、18世紀末に建てられた藩校の敬業館跡があり、立派な講堂が残っている。屋根瓦には林田藩主建部(タケベ)家の家紋三ツ蝶が見られる。 藩校は庶民の子も志願すれば入学を許し、区別なく授業して優秀なら藩費で他国へ遊学もさせたという。裏手は林田藩陣屋跡のある聖岡で、 初代藩主を祀る建部神社や忠魂碑があるだけだが、梅林や桜が春に訪れる人を楽しませているようだ。 西に少しの場所に、朱塗りの立派な鳥居のある祝田(はふりだ)神社がある。11世紀末に林田が京都の上賀茂神社の荘園になった時、 貴船神社のご神体を迎えて合祀したという由緒ある社で、社殿や境内社も多数ある。

 東に戻って因幡街道を北にたどると、格子戸の町家が昔の風情を醸し出す街並みが残っている。姫路の銘酒「八重垣」発祥の地で酒蔵もある。 今は北に少し離れた田畑の中に、白い5階建て程の大きな本社工場・研究所を構えている。林田川を渡るとすぐ北の山裾に、 9世紀末に村の有志が京都の石清水八幡宮から勧請した八幡神社がある。江戸時代には林田藩主建部家が10代250年に渡り、 産土神・祈願所として尊崇したという由緒、格式ある神社である。ここでやっと昼食、時間は既に12時をかなりまわっていた。

 1時すぎにウォーキングを再開し田畑の中を南に戻る。あちこちにすっかり葉を落とした柿の木があり、たわわに実をつけている。 昔は特に飢饉の時など貴重な食料になったのだろうが、今はほとんど手付かずで枝をしならせており、寂し気な田園風景に色を添えている。 「食べたいな」と思いながら歩いて行くとじきに教覚寺に着く。浄土真宗本願寺派の寺で16世紀前半の開基。 境内左手に雲水姿の親鸞聖人の像があり、台座の上から見おろしておられる。鐘楼をそなえ本堂なども改築されて立派で、内証の豊かさがうかがわれる。 門前の農道を行くと500m程東に、林田温泉「ゆたりん」が見える。しかし寄って行こうと言うメンバーは無かった。 江戸時代末期に近在の小麦と赤穂の塩を使って素麺業が起こり、林田も冬の現金収入として栄えたので、「揖保乃糸」の大きな組合倉庫が29号沿いに建っている。

 林田バス停に戻ってくると2時近くで、姫路へ帰るバスは通った直後であった。時間1本しかないので次のバスまで小1時間もある。 近くの浄土宗薬師寺に行き松尾芭蕉の句碑などを見る。この寺には幕末の池田屋騒動で倒れた旧藩士らの墓もあるという。 「まだ時間があり天気も良いので、次のバス停まで行こう。」と、二人を残して29号沿いに歩く。結局バス停二つを歩きバスに乗って姫路に帰った。

 思い返してみると自分は30年ほど前、子供を連れて戸倉や千種のスキー場に行き来した29号である。 途中に林田のように歴史ある場所があるとは全く知らなかった。今回訪れることができて本当に良かった。


(下記写真はクリックしますと拡大写真を見ることができます。
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「林田」バス停下車~ウォーキング出発 林田大庄屋旧三木家住宅土塀 林田大庄屋旧三木家住宅前
林田大庄屋旧三木家住宅
ボランティアガイドによる案内
林田大庄屋旧三木家住宅主屋内の梁 林田大庄屋旧三木家住宅・主屋台所
林田大庄屋旧三木家住宅・御成門 林田大庄屋旧三木家住宅・庭園、園池 林田大庄屋旧三木家住宅土蔵
林田大庄屋旧三木家住宅・主屋前にて 敬業館講堂案内板 林田藩校敬業館
建部神社参拝石段 建部(タケベ)神社 林田藩陣屋跡案内板
林田藩陣屋推定復元図 祝田(ハフリダ)神社鳥居 祝田神社参道
祝田神社案内板 祝田神社本殿 宿駅の町屋
八幡神社鳥居 八幡神社中門 八幡神社案内板
八幡神社石段~本殿 八幡神社・社 帰路の「追分」バス停


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