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ウオーキング同好会

活動報告

(会長:笹間美之 世話人:神野久典)

平成28年11月24日(木) 第82回例会 :「旧国鉄福知山線廃線跡ウォーク」 執筆者:谷口 正和

  平成28年11月24日(木) 第82回例会「ウォーキングコース」
         JR宝塚線「西宮名塩駅」→旧福知山線廃線跡入口→北山第一トンネル→北山第二トンネル
         →横溝尾トンネル・第二武庫川鉄橋→長尾第一トンネル→長尾第二トンネル
         →親水広場・桜の園入口→長尾第三トンネル→JR宝塚線「武田尾駅」にて解散

 本日のウォーキングコースは旧国鉄福知山線が昭和61年の電化・複線化により生瀬から道場間の武庫川渓流沿いの路線が新線に切り替わり廃線となったコースで、 JR西日本や西宮市が立ち入りを禁止していたが実際には出入りできる状態で多くのハイカーに人気のコースであったが、 今年春からJRと西宮市が安全対策工事を行い秋からコースが解禁されることとなり、晴れてウォーキング同好会の例会に組み入れられたものである。

 秋も一気に深まった11月24日(木)10時30分、JR宝塚線「西宮名塩駅」改札出口に参加者16名が揃い、恒例の会長挨拶とコース説明の後に早速歩き始めた。 廃線跡コースへは生瀬駅から行くのが一般的だが、ほぼ登りで国道沿いの狭い道もあり団体歩行には向いていないので西宮名塩駅からのルートを歩く。 駅からずっと下りの名塩川沿いの一般道を進んでいくと目印のあじさい美容室の赤い看板が見えてくる。 この美容室の前の少し急な細道を降りていくとすぐに武庫川が見え廃線跡コースの入口に着いた。 ここからは枕木や砕石が残された線路跡を紅葉と黄葉に彩られた武庫川渓谷を眺めながら辿っていく。入口から300mほど上流に渓谷中最大の岩の高座石が現れる。 この石には雨乞い伝説や竜宮伝説があったらしいが詳しいことは分からない。高座岩を過ぎ100mほど進むと 今日初の北山第一トンネル(大正11年竣工、延長318m)が出迎えてくれた。早速持参したヘッドランプを装着し足を踏み入れる。 中に入ると少しヒンヤリして、当然真っ暗でランプが照らす所しか見えないが、足元は安全対策工事で砕石を敷きなおして整備したおかげで意外と凸凹しておらず歩き易かった。 外に出ると秋の陽射しがまぶしい。

 武庫川の流れを右手に見ながら更に1Kmほど歩きこのコース中の六つのトンネルの中で最も長い北山第二トンネル (明治32年開業、後の四つのトンネル全て明治32年開業、延長397m)に着く、途中の渓流にクラガリ淵とか人面岩があるらしいが思しきものは見つからず。 この北山第二トンネルを抜け2Kmほど歩き、コースのハイライトである溝滝尾トンネル(横溝尾トンネルと表示している地図もある、延長139m)に着く。 溝滝の云われは武庫川の両岸からの岩石が迫り狭くなった所を流れるので溝滝と呼ばれるようになり、溝滝・雄滝と溝滝・雌滝があるとのこと。 このトンネルをしばらく歩くと、明るい出口の先に赤色(実際は錆止め塗料の赤褐色)の凛々しい武庫川第二鉄橋の姿が眼に飛び込んでくる。 武庫川第二鉄橋も安全対策工事で通路の床板と両側の手摺が新設され安心して歩けるようになっている。 鉄橋を渡り、武庫川を左側に見るようになってすぐに長尾第一トンネル(延長307m)に入る、ここを出て700mほど歩いて親水広場に着いた。

 綺麗に色づいた紅葉や黄葉を背景に全員で記念撮影の後、昼食を摂った。親水広場のすぐ近くには、水上勉の小説「櫻守」の舞台となり、 桜博士と言われた笹部新太郎が造園した演習林「亦楽(えきらく)山荘」の跡地である「桜の園」がある。 桜の園から更に登れば明石海峡大橋まで見渡せる標高552mの大峰山への登山ルートもある。 ちょっと話が脱線するが、笹部新太郎は明治20年1月大阪市北区堂島船大工町に生まれ、西天満小学校、堂島中学校(現北野高校)などを経て東京帝国大学政治学科に入学、 在学中より独学で桜の研究に打ち込み、卒業後は犬養毅の秘書をした後、武田尾に移住して亦楽山荘を造園し日本古来種の桜の保護育成、品種保存などの研究を行ったと云う 変わった経歴で昭和53年12月に死去、92歳近くまで生きた。

 親水広場をあとにして、長尾第二トンネル(延長149m)、続いて最後の長尾第三トンネル(延長59m)を通過すると前方に武田尾の集落が見え、 ゴール地点のJR宝塚線「武田尾駅」に13時頃に全員無事に辿り着いた。万歩計を見ると本日の歩行距離は約7kmであった。前日の天気予報では曇り、 降水確率40%であったが、気温12℃前後、湿度50%、少し風はあったが暖かい陽射しも浴びウォーキング日和に恵まれたことに感謝して解散となった。

  (追記) またまた脱線であるが、福知山線の発祥は川辺馬車鉄道が明治24年開業の尼崎港駅~伊丹駅の馬車鉄道で、 のちに摂津鉄道と改称して明治26年には馬車を蒸気動力の軽便鉄道に改築し尼崎港駅~川西池田駅を開業した。 摂津鉄道は大阪から舞鶴までの鉄道を計画していた阪鶴鉄道に譲渡され改軌した上で宝塚駅まで開業され、明治32年には福知山南口駅まで開通した。 明治34年軍部の要請でロシア戦略の軍用鉄道として福知山駅~綾部駅~新舞鶴駅(現東舞鶴駅)間が官設で開通し、阪鶴鉄道も現在の福知山駅まで延伸し、 福知山駅~新舞鶴駅間の貸与を受けて、大阪と舞鶴を結ぶ鉄道が完成した。阪鶴鉄道は明治40年に国有化され官設区間と併せて阪鶴線と呼ばれていたが、 明治45年に山陰本線の京都駅~出雲今市駅(現出雲市駅)間の開通を機に塚口駅~尼崎駅~福知山駅間が福知山線となった。


(下記写真はクリックしますと拡大写真を見ることができます。
また、拡大写真をクリックしますと元の写真に戻ります)

西宮名塩駅前 名塩川沿いの道路 名塩川
廃線跡コースへ 廃線跡コース入口付近 武庫川沿い
北山第一トンネルへのコース 北山第一トンネル入口付近 北山第一トンネル内出口付近
北山第一トンネル出口 武庫川川沿い 北山第二トンネル入口付近
北山第二トンネル出口付近 廃線跡枕木 横溝尾トンネル入口
武庫川第2橋梁 武庫川第2橋梁出口 武庫川河川親水広場の景色
武庫川沿い親水広場へ 親水広場入口付近 親水広場入口付近の紅葉①
親水広場入口付近の紅葉② 親水広場で昼食後の一時 親水広場付近出発
長尾第2トンネル出口 JR武田尾駅へ JR武田尾駅ホーム


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